
━木耐協情報通信vol.794━━━━━━━
☆南海トラフ地震の発生確率 見直し
数字に左右されず、耐震化と備えを継続
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能登半島地震の影響で海岸が隆起し、石川県の面積が拡大して
福井県を上回ったことを国土地理院が明らかにしました。
地形を変えるほどの力を持つ大地震の恐ろしさを、改めて突きつける事例です。
※石川県の面積 福井県上回り34位に NHK
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20250927/k10014933851000.html
さて本日は、先週新聞各紙の一面を飾った南海トラフ巨大地震の発生確率見直しを取り上げます。これまでの「80%」から一転、レンジの異なる二つの数値が示されました。
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地震調査委員会
南海トラフの地震活動の長期評価(第二版一部改訂)について
https://www.jishin.go.jp/evaluation/long_term_evaluation/subduction_fault/#nankai_t
長期的な地震発生確率の評価手法について(追補)
https://www.jishin.go.jp/main/chousa/25sep_nankai/kakuritsu250926.pdf
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<概要>
・南海トラフ巨大地震の発生確率について従来の「80%程度」から 「60~90%程度以上」と「20~50%」という二つのレンジを提示
・モデルの不確実性強調、安全側/保守側の評価を含めた柔軟な見方
・高い確率を前提にした防災予算・備蓄・避難所整備が見直される可能性
・一方、低めのレンジ(20~50%)を併記したことで「発生しない可能性がある」と誤解されかねず、警戒心を弱めるリスクがある点には注意が必要
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政府の地震調査委員会は、南海トラフ巨大地震の発生確率を
「30年以内に80%程度」から、
「60~90%程度以上」と「20~50%」の二つのレンジに見直しました。
一本値ではなく幅を持たせたのは、観測データやモデルの違いによって
評価が揺らぐことを明示するためです。
ただし、この数字は「起きるか・起きないか」を保証するものではなく、
備えを考える際の参考にすぎません。
むしろ「20?50%」という低い数値だけが独り歩きすれば、誤解を招き警戒心を弱める危険があります。
重要なのは、確率がどう変わろうとも巨大地震は必ず起こり得るという事実です。
科学的評価の変動に左右されず、防災や耐震化を継続する姿勢が欠かせません。
引き続き耐震化に取り組んで参りましょう。
※NHK 南海トラフ巨大地震 30年以内発生確率「60~90%程度以上」「20~50%」に
これまでの80%程度から
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20250926/k10014932871000.html
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