地震大国日本 過去の地震と被害

地震大国日本に暮らす私達

日本には昔から地震が多く発生し、古くは720年に完成したとされる「日本書紀」にも記録されています。
皆さんも感じていると思いますが、近年は地震の発生回数が増加しています。2024年1月から10月までに発生した「震度4以上」の地震だけでも107回(その内、65回は石川県)、「震度3以上」とすると398回(その内、238回は石川県)も発生。能登半島地震による影響も大きいですが、日本全国で地震が発生しています。
 
また、政府の地震調査研究推進本部の発表では、首都直下地震や南海トラフ地震が30年以内に発生する確率は「70%程度」としています。
 
この確率、皆さんは高いと思いますか?低いと思いますか?
 
ちなみに、2016年に発生した熊本地震ですが、発生する確率は「7.6%」とされていました。
つまり、それらの巨大地震は、ほぼ確実に発生すると考えられるのです。

能登半島地震の被害 81-00住宅にも大きな被害

2024年(令和6年)1月1日午後4時10分、石川県能登地方を震源とするマグニチュード7.6の地震が発生。2024年12月24日時点で489名の命が奪われました。この能登半島地震は津波、地盤の隆起、液状化、火災といった複合災害をもたらし、復旧・復興の難しさを浮き彫りにした震災です。また、犠牲者の半数以上である261人が震災関連死でした。

国土交通省の国総研(国土技術政策総合研究所)が11月に公表した「令和6年能登半島地震建築物被害調査等報告(速報)中間とりまとめ」によると、木造住宅の被害状況が明らかになりました。1981年~2000年に建てられた「81-00(ハチイチゼロゼロ)住宅」では16.9%が「倒壊・崩壊」または「大破」と判定され、無被害は26.5%にとどまりました。4戸中3戸が何らかの被害を受けていたことになります。

 
令和 6 年能登半島地震における建築物構造被害の原因分析を行う委員会 中間とりまとめ(令和 6 年 11 月)
https://www.nilim.go.jp/lab/hbg/iinkai/notohantouzisinniinnkai/file/241101_torimatome.pdf
国総研資料 第 1296 号
https://www.nilim.go.jp/lab/bcg/siryou/tnn/tnn1296.htm

<劣化の有無で倒壊被害の割合に大きな差>
調査レポートによると、住宅に「生物劣化」があると、倒壊被害がより大きくなることが示されています。以下の図では、上が劣化していた住宅、下が劣化がなかった住宅を表しています。比較すると、「劣化あり」の住宅では、水色の無被害の割合が少なく、赤やオレンジ色の被害割合が大きいことがわかります。

劣化が進行すると、新築時の住宅本来の耐震性が失われ、大地震で倒壊するリスクが高まります。これは、1981~2000年に建築された住宅や2000年基準の住宅でも同様です。そのため、耐震診断を実施し、劣化の有無を確認することが重要です。


耐震診断は木耐協にご相談ください!

阪神・淡路大震災の被害

1995年(平成7年)1月17日午前5時46分、兵庫県の淡路島北部を震源としたマグニチュード7.3の地震が発生。わずか22秒間の揺れで多くの建物が倒壊し、6,434名もの命が奪われました。そして、その約8割にあたる約5,000名は建物の倒壊等による"圧死"だったのです。
住宅被害 全壊 104,906棟 (186,175世帯)
半壊 144,274棟 (274,181世帯)
一部破壊 390,506棟 「阪神・淡路大震災
 について(確定報)
 (平成18年5月19日
消防庁)」より
639,686棟
人的被害 死者 6,434名
行方不明者 3名
負傷者 重傷 10,683名
軽傷 33,109名
43,792名

なぜ木造住宅は倒壊したのか?~4つの倒壊原因~

阪神・淡路大震災では多くの木造住宅が倒壊しましたが、その原因は何だったのでしょうか?
倒壊の様子を見ると、大きく2つの特徴がありました。

❶ 老朽化によって全壊した

古い木造住宅は全体的に老朽化が進んでいて、1階2階共に崩れて全壊しました。これは能登半島地震でもやはり劣化している住宅で被害が大きかったことがわかってきました

❷ 1階だけが崩れた

1階だけが崩れて、2階が1階を押しつぶすように倒壊しました

 

なぜこのような壊れ方をしたのか。そこには大きく4つの原因があったのです。

1.壁の量が少なかった

住宅は「建築基準法」に基づいて建てられていますが、1981年(昭和56年5月)よりも前に建てられた木造住宅は、現在の建築基準よりも壁の量が少なかったため、地震の力に耐えられませんでした

2.壁のバランスが悪かった

家の重さの中心(重心)と、家の強さの中心(剛心)のバランスが悪く、地震の力を受けた住宅の揺れが大きくなり、ねじれを起こして倒壊しました

3.柱が土台から抜けてしまった

2000年5月(平成12年)よりも前の建築基準では、土台と柱がつながる部分の決まり(基準)がありませんでした。そのため、地震の力がかかった時に柱が抜け(ホゾ抜け)てしまい、倒壊しました。下の写真はホゾ抜け模型によるイメージです。このように柱が抜けてしまうと、倒壊する原因となります。

4.腐れやシロアリ被害が多かった

柱や土台など、家の構造上重要な部分が腐ったり、シロアリに喰われていることが原因で、建物全体が弱くなってしまった。


ですから、こうした家に弱い部分が無いか、確認しておく必要があります。

毎年のように発生する巨大地震

先ほど、体に感じる「有感地震」と感じない「無感地震」を合わせると、2023年の1年間で2,227回も地震が発生しているとお伝えしました。
では、人的被害が生じた巨大地震は、どのくらい発生しているのでしょうか?
※表を横スクロールすると全部が見れます。
発生年 名称 規模 死者
1943(昭和18年) 鳥取地震 M7.2 1,083人
1944(昭和19年) 東南海地震 M7.9 1,223人※
1945(昭和20年) 三河地震 M6.8 2,306人※
1946(昭和21年) 南海地震 M8.0 1,443人※
1948(昭和23年) 福井地震 M7.1 3,769人
1964(昭和39年) 新潟地震 M7.5 26人
1968(昭和43年) 十勝沖地震 M7.9 52人
1978(昭和53年) 宮城県沖地震 M7.4 28人
1983(昭和58年) 日本海中部地震 M7.7 104人
1984(昭和59年) 長野県西部地震 M6.8 29人
1993(平成5年) 北海道南西沖地震 M7.8 230人
1995(平成7年) 阪神・淡路大震災 M7.3 6,437人※
2004(平成16年) 新潟県中越地震 M6.8 68人
2005(平成17年) 福岡県西方沖地震 M7.0 1人
2007(平成19年) 能登半島地震 M6.9 1人
2007(平成19年) 新潟県中越沖地震 M6.8 15人
2008(平成20年) 岩手・宮城内陸地震 M7.2 23人※
2011(平成23年) 東日本大震災 M9.0 18,446人※
2016(平成28年) 熊本地震 M7.3 273人
(関連死223人)
2018(平成30年) 大阪北部地震 M6.1 6人
2018(平成30年) 北海道胆振東部地震 M6.7 43人
2021(令和3年) 福島県沖地震(2021年) M7.3 3人
2022(令和4年) 福島県沖地震(2022年) M7.4 3人
2023(令和5年) 石川県能登地方を震源とする地震 M6.5 1人
2024(令和6年) 令和6年能登半島地震 M7.6 489人
(関連死261人)
 
※表は横スクロール可能です

毎年のように巨大地震が発生していることがわかります。

地震の活動期に入ったといわれている今、いつ・どこで巨大地震が発生しても不思議ではありません。

だから、自宅が地震に耐えられるのかどうか、確認する必要があるのです。


耐震診断について耐震補強について

関連団体サイト

国土交通省 一般社団法人住宅リフォーム推進協議会 悪質な訪問販売 撲滅!かながわ宣言
安心リフォームの証