【配信日2026年9月8日】
9月に入り、朝晩はいくらか過ごしやすくなってまいりました。
さて、政府の地震調査委員会が8月28日、近畿地域の活断層の長期評価を公表しました。近畿の主要活断層帯がまとめて見直されるのは、15年から25年ぶりのことです。
関西の方はもちろん、それ以外の地域の方にもお読みいただければと思います。
「発生確率をどう受け止めるか」という、全国共通の話でもあるからです。
近畿地域で今後30年以内にM6.8以上の地震が起きる確率は、50%から60%。
評価の対象は45断層あり、地域は3つに分けられました。
近畿三角帯には大阪市の全域、神戸市の大部分、京都市の一部が含まれます。
30年以内の発生確率が3%以上の区間は「Sランク」と呼ばれます。改訂前は3区間でしたが、今回は9区間に増加しました。いずれも近畿三角帯に含まれる区間です。
一方で、大阪の上町断層帯(主部区間)はSランクから外れ、Zランク(ほぼ0%-0.003%)となりました。
・なぜ3倍に増えたのか
危険度そのものが上がったというより、より詳しく、より広く評価するようになったことが要因です。
対象となる断層の長さの条件が緩められ、24断層が新たに加わりました。これまでひとつのまとまりだった断層帯が複数の区間に分けられ、「不明」だった活動間隔にも数字が付きました。
今回の資料を読んでいて、考えさせられる部分がありました。
そもそもこの確率は、行政が耐震化をどこから進めるか、限られた予算と人をどう配分するかを判断するための数字とされています。地震本部の資料でも、想定される利用者として自治体が挙げられています。
一軒一軒の住宅を診断するかどうかを決める数字としては、少し性質が違うのではないでしょうか。確率が3%でも0.001%でも、起きてしまえばその家にとっては同じことです。
・低い確率が、かえって安心につながってしまう
このことは、地震本部自身も資料に記しています。
熊本地震のあと、危険性が正しく伝わっていないという指摘があった。降水確率を見るように「起こらない確率」のほうが高く見えてしまい、かえって安心情報になっている、と。ランク表記は、その反省を踏まえて導入されたものだそうです。
10年前の熊本地震を起こした布田川断層帯(布田川区間)。当時の30年確率は「ほぼ0%-0.9%」でした。数字の上では、低い部類に入っていたことになります。
・数字の外側にも、まだ何かがありそうです
今回の評価は、その限界についても率直に触れています。
地表に痕跡を残さない伏在活断層や、活動度の低い活断層を見落としている可能性は否定できない。沿岸海域について調べられたのは、まだ一部にとどまる。
また、今回のSランクの多くは幅で示されています。六甲・淡路島断層帯は「ほぼ0%-7%」、浦底-柳ヶ瀬山断層帯は「ほぼ0%-18%」といった具合です。下限がほぼゼロでも、上限が3%を超えればSランクになります。データが少なく幅が広い断層ほど、Sランクに入りやすい面もありそうです。
評価文には、こう記されています。
Zランクであっても、活断層が存在すること自体が、その地域で大きな地震が起きる可能性を示している、と。
・お客様にどうお伝えしましょうか
「うちの地域は確率が低いから」と言われることがあるかと思います。そんなとき、数字で言い返す必要はないのかもしれません。
あの数字は行政が順番を決めるためのもので、お宅の家が耐えられるかどうかとは別の話です。そうお伝えしてみてはいかがでしょうか。
そして、耐えられるかどうかは診断すればわかります、と続ける。活断層の話を確率で終わらせず、その家の話に戻していく。今回の公表は、そのきっかけに使えそうです。
なお地域評価は、九州・関東・中国・四国・近畿が公表済みで、今後は中部・東北・北海道と続く予定とのことです。ご自身の営業エリアについては、上記のページからご確認いただけます。
重要施設の周囲「おおむね300m」だった飛行禁止エリアが、「おおむね1,000m」に広がりました。重量100g未満の機体も対象です。
屋根の点検で空撮を行う際は、現場が圏内に入っていないかご確認ください。土地所有者の同意がある場合も、原則として飛行開始の48時間前までに警察への事前通報が必要とされています。今回の改正で罰則も新設されました。
※本件は警察庁より木耐協あてに周知依頼があったものです。
検査済証がなく、建築基準法第20条への適合状況を調べにくい木造住宅について、耐震診断の結果を活用する取扱いが示されました。
対象はいわゆる旧4号建築物等です。昭和56年5月末までの建築ならIw 0.5以上、それ以降で令和7年3月末までならIw 1.0以上が目安となります。