令和6年能登半島地震への黙とうで始まった全国大会
全国大会の開会に先立ち、元旦に発生した能登半島地震で被災された方々に心からの哀悼の意を捧げるため、来場者全員で黙とうを行いました。また、会場で災害義援金を募り、集まった皆様の善意を石川県にお届けしました。
今回の全国大会では、防災・空き家・リノベーションという耐震とも関連が深く、これからの住宅業界に欠かせない3つのテーマで講師をお招きしました。行政で防災・福祉の仕事に携わっていた鍵屋様には、住宅の耐震化が防災の第一歩であると力強いメッセージをいただきました。和田様には空き家問題の現状・課題と事業者の役割について、鎌田様にはリノベーション事業の意義についてご講演いただきました。
名 称:2024年度 第26回 木耐協全国大会
開催日:2024年1月11日(木)
時 間:14:00 ~ 17:40
会 場:東京国際フォーラム
定 員:200名
参加費:無料
参加方法:対面
主 催:日本木造住宅耐震補強事業者協同組合
小野秀男
木耐協 理事長
「気持ちのこもった黙とうをありがとうございました。能登半島地震の発生があと3日でも前後していれば、帰省中に被害に遭う人も少なく、被害状況もまた違ったものになっていたのではないでしょうか。毎年行っている書き初めで今年は『感奮興起』と書きました。今年は感じて、奮い立ち行動を起こして共に耐震社会の構築に邁進して参りましょう。」と、挨拶しました。
鍵屋 一 様
跡見学園女子大学 観光コミュニティ学部 コミュニティデザイン学科 教授
「能登半島地震の被害をみても、住宅が倒壊しないことが重要。住宅の耐震化が防災の一丁目一番地。耐震化率と出火は比例しており、倒壊しなければ火災は防げるのです。では、これだけ自然災害が起きても、なぜ人は備えないのでしょうか。それは『自分は大丈夫』と思っているからです。自宅で大地震が起きた後のことを想像してもらっても、その時に自分が怪我をする、亡くなると考える人はいません。
また、自治体の補助金の多くは自己負担があり、費用負担できない人は見捨てるような社会で良いのでしょうか。高知県幡多郡黒潮町では、自己負担なく耐震設計・補強できる体制を構築し、耐震化を進めている。志があれば耐震化は進められるのです。」と、鍵屋様に耐震化の重要性をご講演いただきました。
和田貴充 様
空き家活用株式会社 代表取締役 CEO
和田様から、2030年には空き家が2,000万戸にもなる見込みであり、空き家問題は地方だけではない日本全国の問題と指摘。「空き家問題は“面倒くさい”という人の意識の問題といえます。空き家で困っている人は、どこで、誰に相談していいのかわからない。我々事業者がその解決方法を伝えていく必要がある。」と、私達が事業として取り組む意義について実例を交えて語っていただきました。
鎌田友和 様
株式会社WAKUWAKU 代表取締役 CEO
「お客様が住宅に求めるニーズは個別化・多様化しています。中古+リノベなら、お客様のニーズを叶えることができますが、簡単ではありません。物件選び、設計、資金計画、施工と業務は多岐にわたるので、業務効率の改善とテクノロジーの活用は欠かせません。」と、鎌田様。リノベーションで住宅の価値を上げ、ひいては街の価値を高めていきたいと熱い想いを語っていただきました。