大阪府の中央部を南北に走る上町断層帯で地震が発生した場合、最大で4万2千人が死亡し、97万棟が全壊する――。国の中央防災会議の専門調査会が1日、近畿や中部地方の内陸直下型地震の被害想定を発表した。死者数は、首都直下地震の想定最大1万3千人を大きく上回り、これまで国がまとめた被害想定では最悪の予測となった。独自に被害想定に取り組んできた各府県の地域防災計画にも大きな影響を与えかねない結果だ。

同調査会は06年から活断層による内陸直下型地震の被害想定に取り組み、昨年12月には震度予測を発表。その揺れをもとに、今回は死傷者数や建物などの被害を想定した。
大阪の上町断層帯では、大阪平野全域が震度6強以上の揺れに襲われ、老朽化した木造住宅が密集する大阪市の西成区、生野区、東住吉区などで多くの住宅が倒壊するなど、計97万棟が全壊すると推定した。多くの人が就寝中の冬の朝5時に発生した場合に、建物倒壊による死者が最大3万4千人にのぼると予想し、火災による死亡者などを含め計4万2千人が死亡すると想定した。負傷者数は重傷者4万8千人を含め計22万人にのぼるとみられている。
全壊棟数は95年の阪神大震災の9倍近くに達し、死者数は、調査会が同じ方式で想定した東海・東南海・南海地震が同時発生した場合の2万8千人を大きく上回った。大阪府が独自に想定した死者数の3倍を超えた。
また、大阪、奈良、京都にまたがる生駒断層帯の地震では3府県で死者は1万9千人と想定した。京都西山、花折、中央構造線の三つの断層帯でも、近畿の各府県でそれぞれ1万人以上の死者が出ると想定している。
今回の被害想定の詳細は、http://www.bousai.go.jp/の「中部圏・近畿圏直下地震対策」に掲載される。
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《上町断層帯》 大阪府豊中市から大阪市中心部を南北に貫き、同府岸和田市に至る全長約42キロの断層帯。大阪を取り巻く複数の活断層の中でも予想される被害の大きさは群を抜き、大阪平野のほとんどで震度6強、大阪市など中心部の一部では震度7と予測されている。04年の国の報告書によると、30年以内に地震を起こす確率は最大3%で、発生確率は国内の主要な活断層の中でも高い部類に入る。