床下の湿度を適正に保つことは、家を長持ちさせ、家族の健康を守る重要なポイントです
皆さんの中で、自分の家の床下に潜り込んだことがある人はいらっしゃいますでしょうか。過去に一度か二度、何かのついでに覗いてみたことがある、という程度の人がほとんどでしょう。日常生活において床下はほとんど無用の空間ですから、皆さんの関心が低くてもやむを得ないとはいうものの、そこが家の寿命を左右する重要な場所だということだけは、ぜひ知っておいてほしいところです。
基礎構造の変化が床下も変えた
礎石構造が主流だった一昔前の日本家屋は、床下の風通しが非常に良かったですし、床高が1尺5寸(約45cm)以上あるのが普通でしたから、床下に潜り込むこともごく簡単でした。しかしコンクリートの布基礎で四方を囲い込む現在の工法では、床下はともすれば密閉された空間になりやすい場所です。このため私たちの目はますます届きにくくなってしまいました。
もちろん建築基準法で床高や通風口について定められているため、完全に密閉されることはないのですが、年数が経つうちに通風口の前が物置同様になって、ほとんどふさがれていることも少なくありません。あなたの家は大丈夫でしょうか?
高い床下湿度は家にも人にも有害
通風口がふさがり、床下の通気が悪くなるとどんなことが起きるでしょうか。まず考えられるのは空気が滞留するために、いったん内部にこもった湿気が抜けにくくなってしまうことです。風の流れがないから、結露が起きやすくなり、過剰な水分がカビや腐朽菌を繁殖させて、結局は土台や大引きを腐らせてしまうことにもつながります。つまり床下の湿気は、家の寿命そのものを縮める元凶ということです。
また床下の湿気は床板を経由して畳や壁に伝わり、家の内部がジットリ湿っぽくなります。これは住む人にとって不快なだけでなく、イエダニなどを増殖させる温床にもなり、アトピーや喘息など家族の健康を脅かす原因にもなってきます。床下のジメジメは、家にも人にも悪影響を及ぼすのです。
床下を定期的に点検する習慣を
一般にベタコンと呼ばれる全面コンクリート打設の基礎を除いて、床下の土はサラサラしていなければなりません。もしジットリ水分を含んでいるようであれば、漏水あるいは浸水の可能性があると考えられます。
建てられてから十数年も経過すると、家にもいろいろ傷みが出てきます。とくに水回りと呼ばれる台所や浴室、トイレあたりの土台が腐ることが多いのですが、その大部分が水漏れによるものです。排水管の断裂などで大量に水が漏れ出せばすぐ気づくでしょうが、ジワジワ滲み出すような漏れは発見されにくいものです。木材の腐れを発見し、そこから原因が水漏れだったことに気づくことも多いのです。
また外壁や基礎にひび割れが発生していると、そこから雨水などが浸入することもあります。いずれにせよそうした床下の異常については、ときどき点検をしていれば早期発見の確率が高くなります。せめて1年に1回は、健康診断のつもりで点検しておきましょう。
これは必ずしも自分で行う必要はありません。信頼できるリフォーム会社や工務店に依頼して、定期的に点検してもらうという方法がおすすめです。何千万円もする大切な財産を守るためですから、家にも「かかりつけの医者」が必要なのです。