屋根が出す警戒信号に注意を!
ふだんは目に付きにくいといっても、少し注意して観察すれば自分の家の屋根が健康かどうか、ある程度まではわかります。たとえば棟の瓦やひさしが波を打っているとか、瓦の継ぎ合わせ部分に雑草が生えてきたとか、表面の色合いがくすんできたとか、コケがついている、などです。
それらがどういう異常事態を示す兆候であるかは、綿密に調査してみなければわかりません。しかし、確実に屋根の補修点検が必要な状態になっていることを示す警戒信号であることだけはハッキリしています。
ただし、だからといって経験のない人が屋根に上って詳しく調べてみよう、などとは考えないでください。瓦屋根にせよスレート屋根にせよ、それぞれに歩き方があり、素人が下手に動き回れば破損箇所を増やすだけです。まして勾配の強い屋根から転落すれば、大怪我の危険もあります。
だから「変だな」と気づいたら、まず専門業者に相談して下さい。日ごろから親しくしている工務店や、その建物を建てた住宅会社などに相談するといいでしょう。
屋根を重くするときの留意点は
最近の新築住宅には、軽量タイプのコロニアル屋根が好まれているようです。構造体への重量負担が小さく、工事が簡単で耐久性も瓦葺きと比べて遜色がない、などが人気の理由のようです。
このため、瓦葺きやスレート葺きの家を、葺き替えのときコロニアルに変えるという例も多くあります。
屋根を軽くするのは、家の耐震性を高めるうえで、悪いことではありません。ただし、瓦葺きの家の構造体はその重量に見合った強度を計算して作られているため、屋根を軽くしただけで飛躍的に耐震強度が向上するわけではなく、絶対に必要な改修ともいえません。
むしろ気をつけなければいけないことは、最近流行の太陽熱温水器や太陽光発電のセルを屋根に載せる工事です。
省エネの観点からいえば、太陽熱利用は大いに推奨されるものですが、屋根にかかる負荷がそれだけ増大するわけですから、安易な取り付けは危険です。専門家に相談して、新たに増える負荷に見合った補強を行ったうえで取り付けるようにするべきです。
それと同じ意味で、既存の瓦やスレートを撤去しないで、新しい軽量屋根材で覆ってしまう「かぶせ」と呼ばれる方法にも問題があります。雨漏りなど実際に被害が起きているときはそれを防止する緊急避難的な効果はありますが、いかに軽量とはいえ新たな荷重が加わるわけですから、家本体がその重みに耐えられるかどうかの見極めが先となります。
質のよくない業者の横行にくれぐれもご用心
くれぐれも気をつけてほしいのは、屋根補修はシロアリ駆除と並んで質のよくない業者が多い分野だということです。
最近特に目立つのが高齢者世帯を狙い撃ちにする商法で、「おたくの屋根はヒドいことになってるね」「ついでだから診断してあげる」「ご近所で工事をした帰りだから、余った材料で格安に補修してあげる」などと言葉たくみに葺き替えや補修工事をすすめるという手口です。
中には「点検する」といって屋根に上ったセールスマンが、故意に瓦を踏み割って葺き替えの契約をさせたという悪質な事例もあるといいます。当然ながら、そうした業者の行う工事はずさんなものが多く、かえって被害を大きくすることもあります。
そうした被害を受けないようにするには、突然飛び込んできたり、いきなり電話で勧誘するような業者は相手にしないことです。事業所の名前も住所も嘘だったという事例もありますから、訪問販売の類似業者は警戒した方がいいでしょう。
このような業者には要注意です
1 飛び込み、または電話で点検を勧誘された
2 点検したその日に、工事が必要といわれた
3 すぐ工事契約をするよう急がされた
4 なぜ補修が必要かの説明が十分でない
5 しっかりした診断書、見積書がない
6 工事内容明細や工事日程があいまい
7 会社説明書や経歴書を見せてくれない
家にも主治医がいた方がいい
やはり大切な我が家を長持ちさせるには、かかりつけの「主治医」的な工務店なりリフォーム業者を作っておくことです。そして3年に1度くらいの定期点検を行ってもらう約束にしておけば、早め早めの保守管理ができるので、まさかの大工事で巨額の費用を失うといったリスクもおのずから回避できるでしょう。