住まいの機能を高めるキーワードは、安全・快適・便利
住宅リフォームが流行しています。使い捨て大量消費の時代から省資源・省エネがトレンドになってきたこと、高齢化社会で住環境へのニーズが変化してきたこと、などがその背景にあるといわれています。さらに地震防災に対する社会的関心の高まりから、耐震補強という新しい概念も徐々に普及しつつあります。
しかしその一方で、リフォーム契約をめぐるトラブルが多発しているほか、不必要な住宅改修をすすめたり、法外な値段の設備機器を買わせるなど悪徳業者の横行も目立ちます。そこで今回の特集では、住宅リフォームで失敗しないためにはどうすればいいかを、徹底的に検証することにしました。
そろそろかな? と思ったらまず計画書を作ってみよう
住宅リフォームを決意するからには、何らかの動機があるはずです。ところが回りを見ていると、近所の家が改築したから自分の家もとか、飛び込みセールスの話につられてついその気になった、などというケースが意外に多いのです。
もちろん、そうした場合でも漠然と「何とかしておきたい」という気持ちが潜在的にあったのでしょう。だから、このまま放置しておくと大変なことになる、などという言葉につりこまれてしまうのです。しかしこのようなケースでは、仕事を依頼する側と、何かを売り込みたい業者側との意識ギャップが大きいから、後でトラブルになる可能性が高くなります。
リフォーム目的を明確にしておく
そこでまずしておきたいのが、リフォームの計画書づくりです。漠然とした希望ではなく、具体的に(1)どこを、どう変えたいのか、(2)何のために変える必要があるか、(3)予算はどのくらいまで準備できるか、などを書き出してみましょう。
同時に工事の目的がいくつもあるような場合は、一覧表にしておいて必要性の高いものから順に優先順位をつけておくとよいでしょう。業者に見積りを依頼する際に、予算が超過しそうなら順位の低いものを次の機会に譲ることもできますし、自分がなぜリフォームしたいのかという目的を再確認できるので、不必要な項目を除外することもできるからです。
見落しがちな安全性への配慮
リフォームの目的は人さまざまだと思うが、ここで忘れてはならないのが(1)安全、(2)快適、(3)便利、の3原則です。
もちろんリフォームしようというからには、快適で住みごこちがよく、便利で使い勝手をよくしたいという願望があるはずです。しかし意外に見落としがちなのが、安全性への配慮です。
安全な家とは、地震や台風などの自然災害に強く、火災や盗難などへの備えが十分に行われている家だと考えてください。さらには、高齢者や幼児の家庭内事故に備えてバリアフリー化しておくことも重要なポイントです。また家に対する犯罪に備え、家族の生命と財産を守るためには、家にもそれなりの備えが必要ともいえます。
3原則の第一に安全を掲げてあるのは、何よりも優先させなければならない項目だからです。
大切なお金を生かして使おう
どのような目的で行うリフォームでも、工事は大規模になることが多いです。金額的にも、すぐに200万円、300万円になってしまいます。
そこで考えていただきたいことが、「そのお金を無駄にしない」ということです。誰だって貴重なお金を無駄使いしたくはないと思いますが、世の中には意外とお金を生かして使っていない場合が多いのです。
例えば増築であったり、和室を洋室に変更するといった工事の時に、お施主様の希望で邪魔になってしまう既存の壁を撤去するといったことが行われています。しかしたった3尺幅の壁であっても、その壁は建物の強度に決定的な意味を持っているかも知れません。
リフォーム業者が構造計算をしっかり行っていれば良いのですが、家の強度を低下させてしまうにも関わらず「お客様の希望だから」とご注文に応じり無責任な業者も、残念ながら存在するのです。
「安全な家づくり」を最優先課題に
また関西地区では、阪神淡路大震災で被害を受けた家の補修工事で、損壊した基礎をそのまま放置し、内装工事や照明器具を中心に数百万円の改装工事を行った業者もありました。このケースの場合、幸いその後の耐震診断で状況が確認されたため、改めて補強工事が行われたので大事には至らなかったものの、最初の「補修工事」にはほとんど意味がなかったということになります。
つまり地震などの災害に対して安全でない家に、うわべだけ飾るために巨額のお金をかけるのは無駄でしかない、ということです。
そこでリフォームを行うときには、まず専門家に依頼して徹底的に家の安全性を調べてもらい、必要な補強・改善工事を同時に行うようおすすめします。補強工事を同時に行えば、二度手間をかけるより経費も結果的に安くつきます。