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第14回 台風被害に備えるくふう(2/2)


大修繕になる前に、屋根と外壁は定期的に点検を

 台風に伴う強風と豪雨で、さしあたり心配なのが雨漏りです。普段の雨では何の異常もなかったのに、台風のとき突然雨漏りが始まったという経験がある人も少なくないでしょう。雨漏りというと、私たちは屋根が破損して起きるものと考えがちですが、専門業者によると屋根自体が原因で起きるものはむしろ少ないということです。

雨漏りしてからでは遅すぎる

 いったん雨漏りしてしまうと、濡れた木材部分にカビや腐朽菌が取り付いて腐敗が始まり、家の寿命を短くします。したがって雨漏りを発見したら直ちに補修する必要があることはもちろんですが、できれば未然に防ぐのが一番です。

 雨漏りの原因はさまざまです。屋根についていえば家屋設計そのものに問題があるもの、屋根材に問題があるもの、施工に問題があるもの、経年変化(劣化)によるものなど多岐にわたります。

 たとえば瓦に浮き上がりやズレが発生した屋根はほぼ間違いなく豪雨のときには雨漏りしてしまいますし、寄せ棟の家では谷樋の板金が腐食して雨漏りにつながることもあります。しかし先に説明したように、屋根の保守点検を定期的に行っていれば、この種の雨漏りは防げるはずです。雨漏り補修の程度にもよりますが、瓦の葺き替えが必要となれば、すぐに300万円以上の経費が必要になるでしょう。

 定期点検をきちんと行ってさえいれば屋根は50年や60年は十分に持つものです。維持管理のための手間と費用を惜しむと、結果的に大きな出費につながってしまうことは、覚えておいていただきたいと思います。

シーリングの劣化にも気を付けよう

 しかし実際には、屋根そのものよりも、外壁、サイディング、サッシ、エアコンの取り付け場所や換気口、ベランダの防水部分などから発生する雨漏りのほうが件数としては多くあります。

 特に気をつけておいてほしいのが、古くなったモルタル壁のヒビ割れです。また壁にはめ込まれたサッシ周囲のシーリングの劣化具合にも注意してください。最近多く用いられているサイディングでも、目地のシーリング劣化による雨漏りが少なからず発生していると専門業者はいいます。

 下の写真に雨漏りにつながる外壁の不具合例を示しておきますが、壁の種類によって不具合の発生形態が違いますし、素人には発見しにくい場合も多いです。やはり信頼できる業者と定期点検の契約をしておくことが、被害を最小限におさえるための最善の対策でしょう。

こんな業者の手口にご注意を

 くれぐれも注意してほしいのが、屋根や外壁のリフォームには問題が多いという事実です。全国の消費生活センターなどに寄せられる住宅問題案件でも、屋根やサイディングに関するものが依然として多いようです。

 被害に遭った1つのケースですが、ケーブルテレビを契約した家庭に、不要になった屋根のアンテナを格安料金の2000円で撤去するという業者が訪れました。頼んだところ、屋根から降りてきた業者が「お宅の屋根は何か所も破損している。このままにしておくと大変なことになってしまう」と屋根修理を持ちかけたそうです。その場は何とか引き取ってもらったとのことですが、気になるので後日別の業者に調べてもらったところ、明らかにごく最近踏み割られたらしい瓦が数枚見つかりました。アンテナ撤去業者に文句を言おうとしても、名刺一枚置いていかなかったので連絡のしようがありません。結局泣き寝入りで、屋根補修をするはめになったということです。

家を大切にする江戸時代の知恵

 こうしたケースは、飛び込み訪問や電話セールスに多いようです。これまでにもたびたび取り上げてきたことですが、家という貴重な財産を、突然来た人に任せるということは、非常に危険です。

 江戸時代、ちょっとした商店やお屋敷には必ず出入りの棟梁や植木職人がいました。台風の翌日などはさっそく棟梁がやってきて、傷みや不具合がないか調べていくのが普通でした。そうした習慣は、ごく最近まで一部に残っていたように思います。

 家そのものを重視しない最近の風潮から、いつの間にかこのような習慣は失われましたが、ほんとうに自分の家を大切に思うなら、出入りの棟梁なり工務店を作っておくべきでしょう。

 餅は餅屋に、といいます。自分の家のことを隅々まで知っている専門業者に維持管理を任せていれば、怪しい飛び込み業者などの被害にあうこともないでしょう。


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