過剰な湿気防除にも換気が重要
最近、ハウスダストによるアトピー性疾患、たとえば喘息や皮膚病にかかる人が増えていますが、これらの主な原因はイエダニの死がいやフン、そしてカビやウイルスなどです。このように室内の過剰な湿気は確実に私たちの健康を損ねるだけでなく、土台などに発生したカビは木材の腐食を早め、家の寿命を縮める原因にもなります。人にとっても家にとっても、湿気対策はきわめて大切なのです。
ところで新築住宅は別として、既存住宅ではどのような換気方法が有効なのでしょうか。建てられた年代や様式によって換気機能に大きな差があるため一概には言えませんが、いずれにせよ壁や建具で密閉された空間では空気が滞留してしまいます。
空気の流れがないと、飽和点以下の湿度でも結露が生じやすくなります。換気がよくない押入や床下、部屋の隅角などにカビが発生しやすいのはこのためです。空気が流れてさえいれば、湿度が60%を超えても結露することはほとんどありません。
エアコンを上手に活用しよう
既存住宅の居間や寝室の換気には、エアコンの活用が便利です。ほとんどの家庭にエアコンは普及しているから、特別な改装工事をしなくても済みます。送風、あるいは除湿モードで運転しておけば、普通の部屋ならごく短時間のうちに室内の空気を入れ替えることができます。
最近のエアコンは花粉や粉塵などが外部から侵入するのを防いでくれるほか、室内の除菌や防臭、有害物質の除去などの機能を持っているのが普通ですから、そういう機能つきの機種にすればシックハウス対策にも有効です。
ガラリの利用で空気の通り道を
しかしここで考えておきたいのは、空気の通り道です。エアコンは吸気と排気を兼ねてはいますが、部屋を囲む壁面の1か所だけに室内機が取り付けてあるため、ルーバーで風向きを変えてやる程度では部屋の隅々にまで空気の流れが行き渡りません。特に大型家具の陰や押入れの内部は、ほとんど空気が流れない場所となってしまいます。
そこで部屋全体に空気の流れを作るには、小型の扇風機を補助的に使って室内の空気を撹拌するという方法があります。
またエアコン取り付け位置の反対側にある窓や出入り口ドアにガラリを設けると、それが空気の通り道になります。ガラリはブラインド状の実用的なものから、装飾的なものまでいろいろ出回っているため、目的に応じて選ぶことができます。
風の流れ具合や換気性能の評価には、やはり専門家の知識と経験が頼りになります。出入りのリフォーム業者などに相談してみるのもよいでしょう。