修復に巨額の費用がかかるシロアリ被害を完全な防除で未然に防ごう
最近の新築住宅では、ほぼ完璧な防蟻処理が施されているのが一般的です。これは2000年4月に施行された住宅品質確保促進法(品確法)において、防蟻・防腐処理が評価基準として明記されたことが大きな理由です。つまり、「防蟻・防腐処理が不完全な家は品質的に劣っている」ということを、国が公に認めたということでもあります。21世紀になって住宅も本格的な性能時代に入ったといわれていますが、最も基本的な性能である安全性の確保において、シロアリ対策は耐震性などとともに不可欠の要件なのです。
要注意の既存住宅が3000万戸も?
総務省が平成15年に行った住宅・土地統計調査によれば、わが国の住宅総数は約5,387万戸で、うち木造家屋はその61.4%、約3,308万戸となっています。最近の住宅新築戸数は年間110万戸から120万戸で推移していますから、品確法施行以後に建てられた住宅は500万戸弱、うち木造住宅は約300万戸と見られます。これらの新築住宅では、まずほとんどが防蟻処理を行ってあるはずですから、シロアリ被害を受ける可能性がある既存木造住宅が約3,000万戸はあるという計算になります。
防除処理の有効期間は5年前後
もちろん、これら既存住宅の全てが、まったく防蟻処理を行っていないわけではありません。購入した時点で処理済みだった物件も多いでしょうし、その後にシロアリ防除を行った家もあるでしょう。しかし最近の防除処理では、人体への安全性や環境汚染への配慮から、たとえば有機リン系の薬品が禁止されるなど、強力な殺虫剤が使えなくなっています。このため防除を行ってもその有効期間は約5年ほどとなっています。一度防除処理をしたことがあるから、あるいは防蟻処理をした家を購入したからといって、安心してはいられないというわけです。
意外に低い? 防除の普及率
シロアリの被害を受けた家は、大地震などで倒壊などの大きな被害を受ける可能性が非常に大きくなります。それは食い荒らされた柱や土台が、構造材に必要な強さを失ってしまうからです。2枚の写真に示したように空洞化したりボロボロになった木材には、家の重量を支えるだけの強さは残っていません。ちょっと揺さぶられただけで、たちまち崩壊してしまう可能性が非常に高いのです。
しかしシロアリ被害は構造的な欠陥とは異なり、シロアリさえ寄せ付けなければ完全に防ぐことができます。シロアリ防除の重要性が盛んにいわれるのはこのためですが、その普及率は意外に低いといわれています。
次のページでは、実際のシロアリ駆除のポイントと業者選びの注意点について触れたいと思います。