「大きく変わった!耐震事業を取り巻く最新情報がわかる研修会」の研修協力を行いました

2007/9/12 木耐協事務局 文責:稲瀬

 9月12日、東京都の全逓会館にて耐震普及グループ(※)が主催し、日本木造住宅耐震補強事業者協同組合(以下木耐協)が研修協力を行っての「大きく変わった!耐震事業を取り巻く最新情報がわかる研修会」が開催されました。
 当日は約130名の方にお申し込みをいただきました。

※耐震普及グループ(50音順):
AGCマテックス株式会社(旧社名 旭硝子マテックス)エイム株式会社株式会社カネシン越井木材工業株式会社スーパーソフトウェア株式会社三菱商事建材株式会社

 3月25日に発生した石川県能登半島地震や、7月16日に発生した新潟県中越沖地震の影響を受け、住宅の耐震化に対するニーズがにわかに増加しています。
 しかし、きちんと耐震診断、耐震補強が行える事業者はまだまだ限られており、また、事業者が耐震に関する知識や技術を得られる機会も非常に少ないというのが現状です。
 木耐協ではこれまで組合員に対し、耐震診断・補強に関する研修会を数多く実施していることから、このたび耐震普及グループの依頼を受け、木耐協に研修協力を依頼し一般事業者向けの研修会にご協力することとなりました。

 第1講では木耐協技術顧問の安斎正弘氏より、「N値計算完全マスター、効率よく評点を1.0以上にする方法」と題して、耐震診断・補強設計の考え方についてご講義頂きました。
 補強設計を考える上では接合部の検討は欠かせませんが、接合部の検討に用いるN値計算を完全に理解している事業者は多いとはいえません。そのため安斎氏には補強設計の基本的な考え方の講義に加え、接合部検討の際に使用するN値計算方法について詳細な解説を行って頂きました。

 第2講では木耐協顧問の中澤守正氏より、「耐震補強をめぐる助成・減税制度」についてご講義頂きました。
 国土交通省では平成17年を「耐震改修促進元年」と位置づけ、平成26年までの10年間で耐震化率90%を達成する為の施策を講じています。特に平成18年から始まった「耐震改修促進税制」は、耐震改修を行った家屋に対して、所得税・固定資産税の減税が受けられる画期的な制度です。また、各地方自治体による耐震診断・補強工事に対する助成制度の整備も進んでいます。
 これらの制度を有効に活用するためには、制度の詳細について把握することが不可欠です。講義の中で中澤氏には、リフォームを取り扱う事業者が活動するエリアで実施されている助成・減税制度について調べておく必要があることをご説明頂きました。

研修会は多くの事業者の来場もあり、会場は満員となりました。
第1講の様子です。
(講師:木耐協技術顧問 安斎正弘氏)
第2講の様子です。
(講師:木耐協顧問 中澤守正氏)



 第3講では木耐協の技術担当者である一級建築士の阿部誠氏より、「現地調査から補強設計までの実際」についての講義を行いました。ここでは主に木耐協組合員が実施している業務内容を基に、現地調査、耐震診断、補強設計の進め方について解説しました。
 耐震の業務は基となる「木造住宅の耐震診断と補強方法」(財団法人 日本建築防災協会発行)を理解するだけでは進みません。大切なのはいかに消費者の方に"自宅の状態および改善方法をご理解頂くか"であり、特に現地調査の進め方一つで診断結果は大きく変わってしまいます。耐震診断を単に「家屋の点数をつけるだけの業務」にとどめるのではなく、耐震診断を通じて診断を依頼された方の防災意識を高め、具体的な対策を実施していただく必要性をお話ししました。

 第4講では木耐協事務局長の西生建氏より、「住宅耐震化への具体策」について講義を行いました。
 今後の住宅業界では新築棟数の減少が予想され、それとともにリフォーム事業者が担う役割はますます重要になります。住宅の耐震化は、地震防災の観点だけではなく、リフォーム時における住宅の性能担保という観点で進めるべきであると考えられます。
 新築需要の減少につれて、リフォーム需要はその形態を変えながら、今後増大していくものと考えられます。こういった時期にこそ事業者は時流を読み、的確な経営判断を下すことが必要です。住宅の性能向上は第2講でも触れたとおり、国策としても進められており、今後のリフォーム事業者にとって、「耐震」は無視できません。
 耐震事業は一部の専門事業者が取り扱うものではありません。「耐震」はリフォームを取り扱う事業者が基本として習得すべき技術・知識であり、単に消費者からの要望に応えるだけのリフォームではなく、消費者が気づかない住宅性能についても提案できる、そのような市場環境の構築が求められていることを説明しました。

 また当日のプログラム開始前、終了後には、耐震普及グループによる展示会を開催いたしました。実務で使用する耐震診断の道具や、補強工事に使用する補強部材などを、ご来場された方に実際に触れて頂きました。

 今回の研修会にご参加頂いた方からは「非常に参考になった」というご意見を多数頂きました。今後も耐震普及グループでは、耐震診断・補強の推進のために、こういった研修会を随時開催していく予定でございます。関心のある方は是非ご参加下さい。

第3講の様子です。
(講師:木耐協技術担当 阿部誠氏)
第4講の様子です。
(講師:木耐協事務局長 西生 建氏)
研修会の前後には展示会が開催されました。
当日は多くの参加者にお集まりいただき、盛会のうちに研修会は終了しました。


(前のページにお戻りの場合はブラウザを直接閉じてください)