「地震のたびに家が大きく揺れ、たんすが倒れないように押さえてやり過ごすんです」。西東京市中町に住む主婦、清水恵満子さん(60)は、築37年になる我が家の耐震性に常に不安を抱いていた。
そんなとき、郵便受けに入った一枚のチラシを見つけた。工務店など約1000社で作る日本木造住宅耐震補強事業者協同組合(木耐協)が、無料で耐震診断をしてくれるという。「周りの家はほとんど建て替えている。子ども2人もまだ住んでいるし、安心して生活するには見てもらうしかないと思った」と、すぐに申し込んだ。
耐震診断は10日、木耐協の耐震診断士である小平弘さん(66)と島崎陣八さん(60)が実施した。まずは地盤の確認。谷になっている地域は地盤が弱くて揺れやすいといい、清水さんは「保『谷』市(現西東京市)と言いますから……」と不安そう。だが、小平さんは地盤の調査結果を基に「特に問題はないでしょう」と説明した。
清水さん宅は71年に建てられた木造2階建て延べ約90平方メートルの建物だが、84年に買い取ったため、診断に欠かせない図面がなく、建物の細かい構造も知らない。小平さんらは、各部屋を見回って図面を作製しながら診断を進めた。
建物のチェックポイントは▽建物がバランスの悪い形状になっていないか▽壁はバランスよく配置されているか▽筋交いは入っているか▽シロアリ被害や、浴室・トイレの周囲の腐食など老朽化が進んでいないか−−などだ。
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阪神大震災の最大の教訓は、住宅耐震化の大切さだった。全国の住宅約4700万戸のうち約1150万戸は耐震性が不足していると推計されている。国は「2015年までに耐震化率90%以上」という目標を掲げるが、公的な補助制度などで耐震診断を行ったのは06年度末で約42万5000戸、改修を終えたのは約1万9000戸(建て替えなどを除く)に過ぎない。耐震診断や補強はどうすればよいのか、耐震化を進めるにはどうしたらよいのかをシリーズで追う。