|
>>記事のPDF(日本住宅新聞 9月15日号)
木造住宅の耐震診断法が平成16年7月に改訂されたが、その新診断法(一般診断法)で木耐協(日本木造住宅耐震補強事業者協同組合)が既存木造住宅を耐震診断したところ、旧診断法よりも倒壊の可能性がある住宅が増加することが明らかとなった。旧診断法では1階だけが診断対象であったが、新診断法では2階も対象としたことがその主要因と木耐協は分析している。
木耐協が今年4月〜6月に実施した耐震診断1146件(軸組木造2階建て以下の建物、うち平屋は54件)の診断結果によると、「倒壊しない」(総合評点1.5以上)3.1%、「一応倒壊しない」(同1.0以上1.5未満)13.4%、「倒壊する可能性がある」(同0.7以上1.0未満)23.0%、「倒壊する可能性が高い」(同0.7未満)60.5%で、全体の83.5%が倒壊のリスクがあることが判明した。
旧診断法で実施した診断結果(平成14年7月〜17年6月の52746件)でゃ、倒壊のリスクがある住宅は75.9%だったから、7.6ポイント増加している。
昭和56年以前の住宅に限定してみると、総合評点1.0未満の住宅は95.9%(旧診断法では88.5%)、56年6月以降の住宅でも70.9%(同62.0%)となっている。
このように診断結果に差が出たのは、旧診断法では1階のみが診断対象で、壁量、壁の配置バランスを中心に評価されていたのに対して、新診断法では2階も診断対象に加え、また接合部や床仕様なども評価項目として加わったことが要因と木耐協では判断している。
2階が危ない住宅が64%も
次に、階別・方向別に耐震診断結果をみると、新診断法では1階X軸・Y軸、2階X軸・Y軸の4つの評点のうち、最も低い評点を総合評点を決める計算式に用いるが、2階の評点で総合評点が決まった住宅は全体の49.3%、2階の評点が1.0未満の住宅は全体の53.7%もあった。
なお、全体的な傾向としては1階と2階の評点に目立った差はなく、1階の評点が悪い住宅は2階の評点も悪いが、1階が1.0以上であるにもかかわらず2階が1.0未満であるため、総合評点が1.0未満となっている住宅は全体の16.9%あった。
この他、床仕様によって評点が低減される住宅は全体の79.7%(火打ち+荒板、火打ちなし)、接合部の仕様によって低減される住宅が全体の98.9%(平成12年建設省告示第1460号に不適合)もあった。
診断結果と補強工事費用は比例する
平成17年1月〜18年5月に旧診断法で実施した3384件について、耐震診断の総合評点を0.1点刻みで耐震補強の平均工事単価を算出すると、総合評点1.5以上1.7未満では約60万円だが、0.1点悪くなるごとに工事費用が約7万円ずつ増える比例関係にあることが分かった。
また、耐震性に問題がある・ないの基準となる総合評点1.0を境に、補強工事の実施率は6%違っている(0.7以上1.0未満は29.7%で約6%多い)が、これを除くと耐震診断の結果と補強工事の実施率に相関関係がほとんど見られないことも明らかになった。
なお、診断受診後の補強工事実施率は平均28.9%、平均工事費は約127万円だった。
|