東海、東南海地震などの大規模地震に備え、県は新年度から、民間住宅を対象にした無料の耐震診断の際に、概算で見積もった耐震改修費を提示することを決めた。費用の一部を補助する耐震改修の利用が低迷しているため、診断から改修まで進むよう橋渡し策が必要と判断した。新年度予算案には耐震診断に本年度より50%増の約2億円を計上する。
耐震診断と耐震改修は、旧基準だった1981年以前に建てられた木造住宅を対象にした市町村への補助事業。無料の耐震診断は2002年度から、上限60万円を補助する耐震改修は03年度から始め、06年度までの利用件数はそれぞれ6万5980件、4362件。
しかし、06年度だけをみても、耐震診断は目標の1万8000件に対し7368件(41%)、耐震改修は目標2000件に対し1294件(65%)にすぎない。07年度も約1万件、約700件にとどまる見通しだ。
耐震改修費の概算見積もりは、原則として診断を受けた全員に提示する。危険と判断された理由や改修内容、改修費用を記載し、診断を担当した建築士が説明する。
これまでは、耐震診断を受けても改修費がどの程度になるのか見当がつかなった。06年度の耐震改修費は平均で約170万円という。
県内では、03年度の住宅総数約254万戸のうち、耐震性があるのは約78%の約198万戸とされる。県は15年度までに耐震化率を90%に引き上げるのを目標にしている。 (石川浩)
【東海、東南海地震の被害想定】 県によると、連動して発生した場合のマグニチュード(M)は8・27。知多や渥美半島、県東部、濃尾平野など広い範囲で震度6弱以上、一部では震度7に達する。死者は約2400人、全半壊する建物は約32万8000棟に上るとされる。07年の新潟県中越沖地震では死者11人のうち9人が建物の下敷きで死亡。1995年の阪神大震災でも死者の88%が家屋や家具の倒壊による。