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簡易耐震改修も補助へ 愛知・安城市が独自制度
(2008年1月17日 中日新聞)

 東海地震などの大規模地震に備えた木造住宅の耐震改修で、愛知県安城市は新年度から、住宅の一応の安全な目安とされ、全国の自治体が改修時の補助条件とする基準値に達しない簡易的な耐震改修にも独自に補助する制度を始める方針を固めた。東京都墨田区が同様の制度を導入しているだけで、ほとんど例がないという。

 多くの自治体は、木造住宅耐震診断の結果、倒壊の可能性があるとされた構造評点1・0未満の住宅を1・0以上にする補強工事に補助している。工事は安全性が高まる一方、住民の自己負担が高額になるため、倒壊の危険があっても工事を見送る例が多く、全国的に耐震化が進まない原因の一つとされている。安城市でも、診断を終えた約2500戸のうち、工事をしたのはわずか約7・5%の187戸にとどまっている。

 簡易耐震では、比較的少ない費用での工事が可能。市は市民の経済的な負担を軽くし、少しでも住宅の強度を上げることが必要と判断した。

 新しい制度では、耐震診断で構造評点を0・1以上引き上げる改修に補助を出す計画で、評点の下限は設けない。少しでも数値が上昇すれば、今以上に市民の安全性が保たれることから、構造評点が1・0に達しなくても補助が受けられるのが特徴。1981年以前に建てられた市内の住宅で、耐震診断後に簡易工事をする場合に、30万円を上限に改修費用の半分を市が負担する。市は関連事業費約1200万円を盛り込んだ予算案を3月議会に提案する。

 市建築課では「家が傾いても、完全につぶれなければ命が救われる可能性が高くなる。制度変更で、少しでも強度を上げる手助けをしたい」としている。

 ■小野徹郎・名工大大学院教授(建築構造)の話 簡易な耐震工事でも震災時に死者を減らすことにつながり、非常に意味がある制度だ。ただ住民には「簡易では倒壊の可能性はある」としっかり説明する必要がある。また、少しでも構造評点が上昇する工事をするよう働きかけることも重要だ。

 【構造評点】 住宅の耐震強度を表し、数値が高いほど揺れに強い。震度6強の揺れが襲った場合、評点が1・0以上あれば「一応安全なレベル」とされている。