住宅の耐震化を促すため、神戸市が実施している耐震診断制度で、二〇〇〇年度の制度導入以降、一戸建て住宅の受診率が対象戸数の2・97%にとどまっていることが十日分かった。同市では〇五年度から受診料を無料にしているが、制度を知らなかったり「大地震はこない」と考えたりする市民も多く、なかなか受診につながらないのが現状。同市は「山崎断層地震など多くの大規模地震が想定されている。耐震化は命の問題。まず、診断から始めてほしい」とPRに懸命だ。(藤原 学)
同市によると、診断対象となるのは旧耐震基準で建築された一九八一年五月以前の一戸建て住宅(約八万三百戸)と、マンションなどの集合住宅(三万六千四百戸)。
一度に数十戸単位で診断する集合住宅は、一万九千五百九十四戸(昨年十一月末現在)が受診し、受診率は53・82%と半数を超えているものの、一戸建ては二千三百八十五戸(同)と、わずか2・97%にとどまっている。
一方、耐震改修工事について同市では、県と合わせ最高百十万円を補助する助成金制度がある。同工事の平均額は一戸建ての場合約百五十万円で、個人負担は数十万円で済むと試算されるが、これまで改修工事を行った一戸建ては百二十三戸(5%)、集合住宅は百二戸(0・5%)と低迷している。
同市は耐震診断を受けた一戸建てを対象に調査を実施。耐震工事をしない理由については「修理費用を考えるとためらう」「もう大きな地震はこない」との回答が半数以上を占めたという。
ただ、政府の中央防災会議専門調査会が、山崎断層帯主部での「内陸直下型」地震で、県内の死者が七千五百人、建物の全壊・焼失は十八万戸に上るとの被害想定を発表するなど、県内でも再び大地震が起きる恐れがある。
同市では耐震化を進めるため、自治会や建築士協会など約三十団体に呼び掛け「市すまいの耐震キャンペーン連絡会」を発足、耐震化のPR強化に努めている。