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耐震改修ノスゝメ 住宅助成部分
(2007年7月24日 中日新聞)

 新潟県中越沖地震で目立ったのが木造家屋の倒壊だ。老朽化した住宅は耐震補強が必要だが、費用の問題が立ちふさがる。地震に備え、耐震診断と改修を進めようと、助成制度を設ける自治体が増えてきた。 (鈴木久美子)

 神奈川県平塚市の松藤仁さん(70)・友子さん(66)夫妻は一昨年、木造二階建ての自宅の耐震補強工事を行った。

 「この家を建てたのは昭和四十(一九六五)年。阪神大震災の後、さすがに心配になって…」

 同震災後、建築基準法に定める耐震基準を満たしているか耐震診断を受けた。費用三万円のうち、同市から二万円の補助を受けられた。鉄製ワイヤや耐震性の柱などを取り付けた。費用は約百万円。工事前、耐震性を評価する評点の数値(1・0以上が「安全域」)が「危険域」の「0・76」だったが、「1・01」に上がった。「安心感が生まれた」

 一戸建てや集合住宅など住宅の耐震補強について、新潟県中越地震や福岡県西方沖地震など大規模地震が相次いだことから国は二〇〇五年、耐震補強を進める耐震改修促進法を改正。市区町村に助成制度の創設を求めた。

 助成規模は自治体により異なるが、主な内容は、耐震診断費用と改修工事費用の補助。木造住宅は改修により、耐震性を評価した評点が、建築基準法に定める「1・0」以上になることが原則。助成対象は、建築基準法の耐震基準が新しくなった一九八一年五月末までに建築確認を受けた住宅が多い。

 今年四月現在、一戸建て住宅耐震化の助成制度を設けた自治体数は、耐震診断で千五(全体の55%)、改修工事で五百三十五(同30%)。集合住宅については耐震診断百九十(同10%)、改修工事七十五(同4%)。

 阪神大震災直後の九五年十月、全国に先駆け木造住宅の耐震診断への補助を開始した横浜市では、診断は無料で受けられる。集合住宅は、費用の半額が上限で一戸当たり三万円までを助成する。

 同市は九九年、木造住宅の改修工事費の助成も開始。一件当たり最高で百五十万−二百二十五万円まで助成を受けられる。集合住宅は、設計費の三分の二まで、工事費は一平方メートル当たり八万−十万円を上限に、全体の三分の一まで助成される。

 「問題は、危険域と診断されても、実際に改修する人は少ないこと」と同市建築指導課の石井保係長が話すように、助成利用はなかなか進まない。助成を受けるには評点「1・0以上」を満たす改修が必要で、費用がかかるためだ。

 昨年度までに同市で診断を受けた木造住宅一万八千件のうち約八割が安全性に問題があったが、改修工事を行ったのは約八百件にとどまる。

 「やはり費用が障害」(石井係長)。改修費用について東京都の担当者は「平均二百万円ほどかかる」と話す。「器ができても使ってもらえない状態」(国土交通省建築指導課)を解消しようと、簡易な改修工事に助成する自治体も出てきた。

 東京都墨田区や足立区は昨年、評点が「1・0」未満でも、現状よりは改善される補強工事も助成対象とした。一部屋だけとか屋外に出る避難経路だけなど部分補強でも助成が受けられる。費用は数十万円で済む。大家の同意を条件に、借家人も助成を申請できる。

 平塚市では民間が動きだした。建築士や工務店、防災に取り組む市民らがNPO法人「平塚・暮らしと耐震協議会」をつくり今年五月、モデルルームを開設した。補強工法や資料など展示する。

 石井係長は「せっかく制度があるので、活用してほしい」と呼びかけている。