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旧耐震基準で建設のマンション、大規模耐震改修に着手/横浜
(2007年7月2日 神奈川新聞)

 旧耐震基準で建てられた横浜市港北区のマンション(築33年、8階建て)が約3億9千万円を投じ、大規模な耐震改修に乗り出した。2001年度に設けられた市の耐震改修補助制度の活用第1号で、08年1月の完成を目指している。旧基準のマンションは市内に1600棟以上あるが、居住者の合意形成や高額な費用が耐震化のハードルとなり、木造住宅以上に難航。全国でも改修事例は少ないため、モデルケースとして注目されそうだ。

 耐震改修を進めているのは、豊栄綱島マンション(169戸)。現行の耐震基準の施行(1981年)以前の74年に建てられた。1階は、壁を減らし空間を駐車場などに利用する「ピロティ形式」。同形式のマンションは、95年1月の阪神大震災で1階がつぶれる被害が相次ぎ、問題となっていた。

 このため同マンションは、03年度に耐震診断を実施。建物の形状が横長なため、短辺方向は耐震性があったものの、長辺方向は強度に不安があると分かった。

 その後、管理組合の総会を繰り返し開いて住民説明と合意を積み重ね、今年1月に着工。鉄製ブレース(筋交い)を各戸のベランダ外側に均等に配置するなど、住民に不公平感がなく、改修中も住み続けられる工法を採用した。建物外周に沿ってくいを打ち込むほか、ピロティも補強する。

 もう一つの課題だった資金面では、公的支援を最大限活用する。改修費の3分の1に当たる約1億3千万円を市の補助金で賄うほか、住宅金融支援機構から約1億5千万円を借り入れ、修繕積立金からの取り崩しを約1億1千万円に抑える。借り入れは10年で返済するが、金利分は市から利子補給を受ける予定。

 「耐震化は命にかかわる問題。時間はかかったが、その間に各地で大地震が起き、住民の意識が高まった」とマンション理事会の関係者。市は「遅れているマンションの耐震化が進むきっかけになれば」と期待を寄せている。