木耐協/日本木造住宅耐震補強事業者協同組合 電話での耐震診断申込は0120-224-293



(2006年9月19日 洛南タイムズ)
 阪神淡路大震災を教訓に、宇治市が独自に実施している木造住宅を対象にした無料の簡易耐震診断の申し込みが5年目を迎え、この間で約770件に上っている。市職員(建築技師)に無料で短時間にチェックしてもらえる気軽さと安心感が歓迎され、「市政だより」などで制度案内されるたびに利用が増える傾向に。その一方で「倒壊の恐れあり」の判定を受けた人の半数が「耐震補強をしていない」と回答。「補強をした」は16%にとどまるなど、経費の面で改修工事には二の足を踏むケースが多いことが追跡調査でも示されている。

 阪神大震災の犠牲者の8割以上が建物の倒壊による圧死――という都市災害の教訓をふまえ、2002年5月から宇治市が独自に始めた。

 対象となる住宅は、阪神淡路大震災(95年1月)以前に建てられた木造2階建て以下の住宅(専用住宅・店舗等併用住宅・長屋・共同住宅を含む)。鉄骨造・コンクリート造などは除く。

 耐震診断は家の間取り図をもとにした現状の聞き取り調査。建物の基礎・屋根・老朽度などの項目をチェックし、データをコンピュータ入力して診断する。

 地震では壁の強度の占めるウエイトが高く、壁の配置がわかる確認申請の図面があればよりわかりやすい。図面がなくても相談に応じており、地震に対して安全かどうかの目安になるだけでなく、リフォームなどを行う際の参考にもなる。

 市建築指導課によると、制度が始まって以来、今月までの延べ申し込み件数は773件。診断結果は総合評点で「安全」「一応安全」「やや危険」「倒壊、大破壊」の4段階に区分している。

 02年度〜04年度の3ヵ年で見た場合でも、「安全」と判定されたのは全体のわずか4%。「一応安全」も含め、27%は一応「安全圏内」との判定を得たが、「やや危険」「倒壊、大破壊」を含めた数値は全体の73%を占め、4軒のうち3軒は要注意という結果になっている。

 判定結果が明らかになった04年度までを対象にした追跡調査で「倒壊、大破壊」と診断された家屋を対象にした人に、その後の対応を質したところ、回答のあった140件のうち半数は「改修をしていない」と回答。「補強工事をした」は16%で、以下、「精密検査をした」12%、「検討中」15%――などの回答があったという。

 判定を受けた後の市民の対応について、市は「住まいのバリアフリーと合わせて検討するケースなど、リフォームや建て替えの際に考慮するという考え方もある。耐震補強だけとなると経費面のこともあり抵抗感があるのでは」と分析する。

 市内にある耐震対象の木造住宅は約4万棟余りと見られ、市では今後も折に触れて制度紹介に努めたいとしている。