木耐協/日本木造住宅耐震補強事業者協同組合 電話での耐震診断申込は0120-224-293


第22回 新診断で可能になったこと


 「新診断(一般診断)」の流れに沿った解説も一段落した所ですが、今まで出来なかったことと、新たに可能になった内容を見てみると、ずいぶんと中身が変わったことがわかります。
 今月号ではそんな点に着目して見てみます。

 (耐力)壁周囲の接合部や基礎の状態により、同じ強さの壁でも評価が異なる。という点について考えてみましょう。
 古い建物の調査では往々にして、増築された家に遭遇します。古い母屋は礎石構造で、増築した部分は(無筋)布基礎だったりします。
 このような場合、旧診断では低い方を採用するため、建物全体が「その他の基礎」として扱う訳ですが、新診断では壁(周囲の接合状況)と基礎状態別に組み合わせて評価をすることが可能になるため、1枚1枚の壁を基礎と組合せたそれぞれの耐力を評価できます。

 基礎仕様に関する分け方でこれを図解すれば下記のようになります。


【接合部低減時の基礎仕様扱い】※文字化け対策のため、図上の丸付き数字は括弧数字に変更しています。
1.既存部分の壁に関する基礎仕様については、III:その他の基礎で異論はないでしょう。
2.増築部の壁(1)に対する基礎仕様については、II:無筋布基礎で、これも異論はないでしょう。
3.増築部の壁(2)に対する基礎仕様については、III:その他の基礎とします。これは増築壁の一方が既存柱(IIIの基礎)に該当するため、低い方の仕様で評価しなければならないからです。
4.増築部の壁(3)に対する基礎仕様については、注意を要します。この壁の既存側(図では左側)には恐らく既存柱は無い筈で、イ:柱増設無し(半柱程度のものを土台・梁の側面に打ち付けた程度)、ロ:柱増設有り(既存土台・梁を加工せず挿し込み、釘・カスガイ程度の接合)、ハ:柱増設有り(既存土台・梁を穴あけや切り欠き等の加工の上補強金物にて緊結)等が考えられます。こんな場合にはイ・ロの場合は基礎仕様IIIを、ハの場合は基礎仕様IIを適用するのが妥当と思います。イ・ハでは力の伝達が期待出来ないからです。
5.既存部分の壁(4)に対する基礎仕様については、III:その他の基礎としましょう。これはローソク基礎(独立基礎)で玉石等と同等扱いとすべきです。また島基礎(壁直下だけの短い布基礎)や半島基礎(布基礎の途中から直角に出た壁直下の短い基礎)についても同様にIIIで扱います。これらの基礎では柱に生じる上下方向の荷重に対応できず、両方向又は一方向の荷重に対して回転・浮上り・沈み込みの危険が大だからです。 


<<Back