「一般診断」における新診断テキストでは、P=Pw+Pe があり、この「Pe」が【方法1】(伝統的構法以外の住宅)では必要耐力(Qr)の1/4、つまり0.25Qr程度の耐震要素を有しているとの仮定がある。この仮定について少し考察を加えたい。
Pw、つまり「診断上」の耐力壁は、調査に基づきその壁仕様から「強さ」を算定することが出来る。このPwは、無開口壁のうち(1)軸組(筋かい)壁では壁長さ0.9m以上、(2)面材壁では壁長さ0.6m以上のみが算定可能である。従って「その他の耐震要素Pe」とは「強さを算定できるPw」以外の要素を指す。つまり【垂壁、腰壁、垂壁+腰壁、壁長60cm未満の壁、ホゾとホゾ穴、差鴨居、方杖】等がこれに該当する。これらの要素は通常の住宅には「ある程度存在している」筈との前提の上に成立っているもので、その量的尺度を「必要とされる耐力(Qr)の1/4程度」と設定したものと考えられる。
この1/4の是非は議論しても仕方が無いことで、それよりも大切な事は「診断の実務」でどう扱うか、であろう。
【Pe=0.25Qr】の0.25は、『あくまで標準的な通常の住宅を念頭においている』ことを忘れてはいけない。従って通常の建物の各階毎の保有耐力(Pd=P*E*D)を求めるに当たって、そのPの中のPeについては0.25Qrを採用するのに問題は少ないと考えられる。
……が、これを「耐力要素の配置等による低減係数E」の検討に際して、無造作・無頓着に、機械的に常に当てはめてしまうのはチョットマッタ!である。
ご存知のように、低減係数「E」を求める方法は「四分割法」により、各方向のそれぞれ外側1/4側端部の部分に着目して、「その部分に必要な耐力(Qr)と、その部分に存在する耐力要素(Pw+Pe)とから、それぞれの側端部の充足率を計算、更に両端部の充足率同士の組合せで決定するものです。
問題は、この【1/4側端部の範囲内に、Peに該当するその他の耐震要素の存在が認められるか?】である。側端部というのは改めて説明するまでもなく、建物平面を縦・横をそれぞれ四分割した外側の1/4部分を指すから、常に耐震要素が存在するとは限らない。(PeどころかPwさえ存在しない建物だって数多くあるのだ!)
その例は下図のような@ビルトイン車庫を持つ住宅、A全面開口の店舗兼住宅、B木造アパートで特殊な間取りの場合、等が挙げられる。
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上記のようなケースは、ごく一般的にある木造住宅とは言え、構造的には「標準的な住宅」とは言えない。従ってこのような場合には、(仮定の基に)定量的に設定されているPe(=0.25Qr)を機械的に算入するのはやめて、実情に合わせ適宜低減評価又は全く無視(ゼロ評価)して対処する必要があると考えます。