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第15回 新診断法の解説(5)


【前回分はこちら:第14回 新診断法の解説(4)

 先月号で述べたキーポイント9の接合状態による耐力壁の低減評価は、一般構法・伝統構法のいずれにも当てはまる低減です。その上で(メクラ壁の)耐力壁以外の耐力要素については、「方法1」の場合では「非耐力壁」の保有する耐震能力を必要耐力の1/4と設定し、伝統構法の場合は「方法2」として垂壁付き独立柱の耐震能力をカウントして一般構法・伝統構法のいずれも持っている耐力壁の耐力要素に「方法1」又は「方法2」により算定された耐震能力を加算してこれを建物全体の【保有する耐力Pd(KN) の元】とし、さらにこれらの耐力に「壁配置と床仕様」・「劣化の度合」による低減を掛け合わせて、最終的な【保有する耐力Pd(KN) 】を決定する組立てになっています。
 そして上部構造の評価としては、先に求めた【必要耐力】との比較で、【上部構造の評点】が付けられるという訳なのです(Pd/Qr)。更に地盤・基礎に対する注意事項をつければ、これが【総合評価】となります。

キーポイント11
 (1)(メクラ壁の)耐力壁には、従来の耐力壁に加えて新たに2尺以上の壁長を有する面材がカウントの対象となります。(ツーバイフォーでは以前から2尺以上の面材を有効とみなしています)
 また、これは「方法1」「方法2」のいずれにも適用されます。
     
キーポイント12
 
(2)その他の耐震要素の耐力Peの算定では「方法1」の場合は簡単ですが、(3)伝統構法における、「方法2」の算定は少々手間がかかります。この「方法2」の考え方は垂壁に付いている独立柱の「曲げ耐力」と「せん断耐力」から、メクラ壁(耐力壁)以外の耐震要素として評価するもので、垂壁が柱の両側又は片側に付いている柱についてそれを耐力(KN)として評価します。ただし、
 (ア)評価に値する柱のサイズは基本的には140mm以上とされているが、実際の運用では150mm以上のサイズの柱を対象とする
 (イ)上記(ア)に該当する柱に付く壁の長さ、leが1.2m未満または以上
 (ウ)同じく取り付く壁の厚さ(40mm未満から70mm以上の3ランク)
 と、都合3つの要素からこれらの柱1本の(水平)耐力(KN)が直接求められるようになっています。(青本P29表3.6参照)
 柱サイズが150mm未満は無効とするその理由は、柱と垂壁下端の接点付近で柱の折損破壊が先行する可能性が高いからだとされています。(青本P31本文参照)
 またこの問題は「一般診断」に限っていて、「精密診断」になると「曲げ耐力」では120mm以上の柱が、「剛性率」や「偏心率」の算定の基になる「壁剛性」としての評価では120mm未満の柱でもカウントの対象になっており、壁の厚さは耐力決定の要素にはなっていないため、これらの違いには注意を要します。(青本P67-70の表参照)
 こうして求めた柱1本1本の耐力を、X,Y(又は梁間,桁行)方向別に集計しそれらの結果と、先に求めたメクラ壁としての方向別「耐力壁」の耐力をそれぞれ加算して得られるのが、「その建物」の「その階」の「その方向」のいわゆる【保有する耐力の元】となります。これを「強さP」といいます。

キーポイント13
 (4)耐力壁周囲の接合仕様や基礎の仕様・その状況、耐力壁の強さ倍率の大小や、その上限、はたまた只今述べてきた「その他の耐震要素の耐力Pe」の算定で「方法1とか2」とかの計算を終わらせても、まだ【保有する耐力】は出てこない! そう嘆かないでください。もう少しで結果を出せます。

 残るは、「耐震要素の配置と床仕様による低減」の仕方(E)、最後は「劣化度による低減」の仕方(D)だけです。 
 あと1〜2回で、「新診断」による「一般診断」の解説は終了予定です。


(つづく)


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