第5回 床組等(必要・存在床倍率)(1)
まず「床組等」とは、1階の場合は2階の床組或いは1階(下家部分)の小屋組及び屋根面を、2階の場合は屋根部分の小屋組及び屋根面を指します。そして耐力壁線で囲まれたそれらの床組等は一定以上の面内剛性を有していなければならない、という訳です。
例えば2階の耐力壁線で囲まれた小屋組や屋根面の剛性が低過ぎると、その面自体が自らの荷重に耐え切れず変形し破壊するし、1階では2階部分の耐力壁線とずれている場合には、その耐力壁に作用する水平力とその部分の自重による水平力とを、2階の床組或いは1階の小屋組及び屋根面を通じて1階の耐力壁に伝達させることが出来なければならない訳で、ここに、屋根面を含むいわゆる水平構面の剛性確保の評価の必要性があるのです。基準法に基づくだけの場合にはこの検討の義務付けがないが、品確法では必要となります。
通常私達はこの問題を不問にして補強提案や工事を進めていると思いますが、「面倒くさくて小難しいことには、ホッカムリ」では済まされないケースも結構ある筈です。今後回を追うごとに逐次触れていきたいと思いますので、しっかり身に付けておきましょう。
前置きはこの位にして、本題に入りましょう。
一言で言えば上記に述べた「床組等」は、その条件によって要求される「必要床倍率」以上の「存在床倍率」を有していなければならない。ということです。
「必要床倍率」は実際の間取りにより決定される、その箇所に要求される平面剛性で、これを耐力壁の倍率のように平面的に倍率化して評価します。
「存在床倍率」は勿論そのディテール(構造方法)によって、それぞれの倍率が用意されていますが、耐力壁線で囲まれた一つの床組等が複数のディテール、つまり異なる床組等で構成されているとその評価方法は単純ではなくなります。
参考:耐力壁の配置がアンバランスである場合の床の役割
水平構面が剛床の場合、耐力壁の配置がアンバランスであっても、
直交壁が強ければその悪影響は軽減されます。
「必要床倍率の求め方」:
(式1) ΔQN=α・CE・l ここに
ΔQN:当該床組等に求められる必要床倍率。
α:当該床組等が接する当該階の外壁線である耐力壁線が[2]bに該当しない場合は2.0とし、(前回で述べた[2]の耐力壁線を指します。つまり床長さの6/10以上かつ4m以上の有効壁長が無い場合。)
1階において当該床組等の中間に2階の耐力壁線が無い場合は0.5、これら以外の場合は1.0とします。
CE:当該階の当該方向における、必要壁量の数値を200で除した値。
l:当該床組等が接する耐力壁線の相互の間隔。(単位:m)
「存在床倍率の求め方」:
(式2) ΔQE=Σ(ΔQEi・Li/ΣLi) ここに
ΔQE:当該床組等が有する存在床倍率。
ΔQEi:当該床組等のうち構造方法が異なるそれぞれの部分が有する存在床倍率。(吹抜け部分は0とする)
Li:それぞれの部分の当該耐力壁線方向の長さ。
そして、 (式1)<(式2) の関係を実現すれば良い訳です。
これだけではチンプンカンプン?! ですね。次回からはこれを「絵解き」で解説してみましょう。面倒がらずに付合ってください。できるだけわかり易く表現していくつもりです。
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