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第2回 2階部分の「上部構造評点」を上げる具体的な方法(2)

 そもそも「接合ランク」でいう「接合」とは、柱頭・柱脚と横架材との結合を指しているのであるから、上記のように軒桁の梁成が大きく、柱頭が天井回り縁の下に隠れてしまっていては「接合」どころではない! 
 
 ではそんな時一体どうすればいいのか? (落胆する前にとにかく何とか方法はないものかを考えてみましょう)

検討方法<1>
 まず最初に、現在設置されている耐力壁の倍率を確定してください。そして、「N値計算」によりその箇所に要求される接合方法を確かめましょう。(今私達は、「2階建ての2階の壁をいじらないで、接合ランクだけを上げる」ことをテーマに考察を進めていることを忘れないでください。つまり最上階の柱のN値計算を思い出していただきたいのです。)すると、N=〔(A±α)-(B±α)〕×β-γだけの計算になりますよね。(最上階だからCとDの壁は存在しない!)
 
 ところで、軒桁下端が回り縁の下にあるようなケースでは、多くの場合「壁B」は存在せずAの壁1枚のみではないでしょうか。となると、上記の計算式は更にN=(A±α)×β-γだけの簡単な計算ですむことになります。

【注:ここで言う「壁倍率」とは、令46条第4項の表1及び告示1100号に定めるものだけを指し、外壁モルタル等は含みませんので慎重に確かめてください。】

 さて、ここで下図のようなケースでスタディしてみましょう。通常、耐力壁AとCは外壁内側を除き、その他の仕様は同じ場合が多く、中間の耐力壁Bには筋交いが無いことが多い。また、柱aとfは出隅柱で、計算式のβが0.8、γは0.4。その他の柱はβが0.5、γは0.6である。ここでもしN≦0なら、要求される接合は「短ほぞ差またはカスガイ打」だから、現状は最低でも「短ほぞ」にはなっている筈なので、何もしなくて良いわけです。ではN≦0となる条件を考えてみましょう。

 まず、出隅柱(a、f)では(A±α)の中が0.5以下でないとクリア出来ないので不可能である。もし筋交がない場合でも内外の壁を合わせた倍率が0.5以下の場合に限定される。では出隅でない柱(b〜e)はどうか。(A±α)の中が1.2以下なら、(1.2×0.5)-0.6≦0 となりクリアできることになる。柱b、eは同一条件で、三つ割 筋交(倍率1.5)なら補正αは-0.5なので、補正前の壁倍率は1.7まで許容できる。この場合内外の壁には倍率を有する仕様が存在すれば不可である。(補正なしの大貫筋交も同様。)
 柱(c、d)の場合には筋交がない限り内外合わせて1.2以下の壁に限定される。柱(d〜f)は図のように柱頭部が回り縁の上に覗いて見えるのでもう少し手の施しようがありそうである。
 ただ残るa〜cの柱の場合、梁材へのホゾが「長ほぞ」の可能性が高く、これに「込み栓」があるか、またはこれを打込むことが可能なら、N≦0.65まで広がるのでb、cの柱なら2.5までの倍率が許容される!(この場合は「込み栓」の存在を確認または新たに「込み栓」を設置する場合では錐もみによる「錐クズ」の材質に注意して観察する必要がある。込み栓すら不可能?)

 残念だがaの柱での()内は、1.3までの倍率しか許容できないので、例え筋交が大貫(倍率1.0⇒α=±0)でも1.3-1.0で0.3の余裕しかなく、古い建物ではなかなか現実性がないのが実情のようだ。つまり2階建ての2階出隅柱に対しては、(1)何もしない、(2)壁をいじる、しか選択肢がないようだ(軒天のない和風建物なら外側から…だが)。

《続く》