木耐協/日本木造住宅耐震補強事業者協同組合 電話での耐震診断申込は0120-224-293


県の助成制度を利用して念願だった耐震補強を(1/2)

静岡県藤枝市

 藤枝市は、静岡市の西約20qに位置する人口13万人余の町です。東海道五十三次では22番目の宿場にあたり、一つ手前がとろろ汁で有名な丸子宿です。もともと藤枝市には海がありませんでしたが、いまお隣りの焼津市や岡部町との合併話が進んでいるので、やがて北は赤石山系の南麓から南は駿河湾に至る、気候温暖で自然環境に恵まれた都市が誕生するのかもしれません。

最初の家は床上浸水で取り壊し

 今回の診断依頼者様邸は、JR藤枝駅から北へ行った住宅街の一角にあります。焼津港に注ぐ瀬戸川の支流、葉梨川の南岸一帯に、昭和40年ころ静岡県が内陸工業団地や住宅地を造成した場所です。

 静岡県警に35年間も奉職していた依頼者様は当然ながら県内各地を数年ごとに転々とする生活でした。官舎住まいが多かったとのことですが、将来のことなど考えれば家を建てておいたほうがいいと考えて、県が造成した分譲宅地を購入したのです。

 Kさんが現在の家を建てられたのは昭和51年ですが、実はこれが2軒目です。最初は昭和42年に建てられたのですが、水田を造成した宅地のため排水が悪かったそうで、建築後わずか数年後の昭和49年に、七夕豪雨と呼ばれた大雨のとき床上50pも浸水してしまいました。

 そこで思い切っていったん取り壊し、1m以上も土盛りをして建て替えられたのです。材木などの資材は、前の家のものをできるだけ使うことにしました。

大工は大丈夫というけれど…

 診断依頼者様は現役時代、あまり自分の家について深く考えたことがありませんでした。しかし2軒めを建てるとき、盛り土をしたこともあって布基礎は全部鉄筋を入れてもらったそうです。

 掛川市出身の診断依頼者様には、終戦前後に連続した大地震の記憶が鮮明に残っています。また阪神淡路大震災のあと、東海地震や東南海地震への警戒を呼びかける報道も増えているため、「この家ははたして大丈夫だろうか」と真剣に考えるようになったとのことです。

 28年前に頼んだ大工さんに相談してみたところ「オレがしっかり作ってあるから、心配するな」と言われたそうです。とはいえ心配でしたから、数年前に本瓦葺きだった屋根を軽量瓦に葺き替えています。屋根を軽くしただけで、立て付けが悪かった襖や障子などが軽く動くようになったそうです。

現地調査の結果いくつも弱点が

 依頼者様は木耐協の告知チラシを見て耐震診断を申し込まれました。一度は専門家にしっかり見てもらう必要があると考えていたからです。

 今回の診断を担当したのは、東海地区で幅広く活躍している株式会社アイジーコンサルティングでした。さっそく現地調査を行った診断者は、依頼者様邸には構造上の問題点もさることながら、いくつかの弱点があることを発見しました。

 まず構造上の問題点は、建物の東側、南側に壁が極端に少なく、配置バランスも悪いことで偏心率が非常に大きくなっている点でした。このように南や東面に壁が少ないのは多くの家に共通することではありますが、特に依頼者様邸は「できるだけ風通しのいい家にしてほしい」という注文をつけて、開口部を大きくしてもらったのだそうです。

やはり倒壊の危険があった

 その他の弱点としては、以前に増築した部分の基礎が無筋で、数か所に顕著な構造クラックが発生していたほか、土台や小屋裏などにホゾ穴や切り欠きがある前の家の木材がそのまま使われているため、強度上の不安があると考えられました。

 また天井梁の接合がほぞ組のみで、締結金物等が使用されていない部分もありました。旧建築基準法時代の在来工法住宅ではよく見られますが、依頼者様邸でも全体的に締結金物の使用量が少ない状態でした。

 診断の結果も低い数値が出ました。壁量の不足とバランスの悪さが影響しているのはもちろんですが、地盤が軟弱なこと、無筋の基礎部分にかなり大きくヒビ割れ(クラック)が発生していたことなどが数値を下げた原因です。この結果をある程度まで予測していた依頼者様は、ただちに補強工事を依頼することにしましたが、ここで診断者から「静岡県の耐震補強補助金制度を利用してはどうか」と提案されました。


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