整備が進むニュータウン
今回の診断依頼者様のお住まいは、いわゆる港北ニュータウンとして壮大な規模の副都心整備計画が進行中であり、横浜市18区のなかでも特に人口増加率が高いところです。また区民の平均年齢が市内で一番若いということから、活力に満ちた発展中の区でもあります。
マイホームのモデルみたいな家でしたが
依頼者様邸は、その区内でも最も北に位置しています。ほとんど川崎市との境に近い南向き斜面をひな壇状に造成した高級住宅地の一角です。十数年前に開発されたばかりとのことですから、港北ニュータウン構想の一部なのでしょう。
平成2年に建てられたという依頼者様邸は、写真のように洋風のモダンな建物で、親戚の棟梁の方が建ててくれたそうです。前庭には広い芝生が広がり、見事なしだれ桜とヤマモモの木があるだけの開放的な庭園です。おそらくガーデンパーティなどが開けるように意図したものでしょう。
その広い前庭に面する家の正面は、総ガラス張りといってよいほど大きなガラス窓が多用されていました。とくに東寄りの部分は吹き抜けにしてあり、1階から2階までガラス張りでしたから、部屋の中にはたっぷり陽光が入ります。まさに絵に描いたようなマイホームでしたが、依頼者様によると必ずしも住みごごちがいい家とはいえないようでした。
住んでみると使いにくさがいろいろ
アパレル関係のパタンナーという専門職を持つ依頼者様は、自宅に本社をおく株式会社を経営しており、1階の居間が主な仕事場を兼ねています。精密さが要求される仕事なので明るい部屋は仕事場としては申し分ないのですが、吹き抜けがあるから冷暖房の効率がよくありません。また浴室とトイレが一緒になっているスタイルでしたから、長男と長女がそれぞれ中学生になり、入浴時に内側からカギをかけてしまうと他の家族はトイレが使えなくなってしまいます。
そうした使いにくさだけでなく、2階にも大きな洋間と寝室しかない間取りでしたから、進学を控えた二人の子供さんたちには勉強部屋を作ってあげたいと思い、Sさんはいずれ近いうちに大改修をしなければ、と考えていたそうです。