まず足元を固め、壁を大幅に増やす
そこで高橋さんが提案した改装補強プランは、以下のようにかなり大規模なものとなりました。
1.床下部分(土台、大引、根太など)は全部撤去して新しくする。
2.大黒柱をはじめ、底部が腐蝕した柱は根継ぎで補修。
3.床下の防湿とシロアリ対策のため、床下全面に防湿シートを敷き詰め、さらにコンクリートを打設する。
4.1階部分の壁不足を補うため、既存壁12か所の補強のほか、20か所以上の壁を新設。
5.水平剛性を高めるため、1階各室の角隅を全て火打ち金物で補強。
6.1階部分の部屋の床にはコンパネを使用、フローリング仕上げにする。
7.浴室はユニットバスを使用。
8.水洗便所と合併浄化槽を設置する。
筋交いと障子を組み合わせて
今回の補強工事で高橋さんがとくに苦労したのが壁の新設でした。とりわけ南西の角はちょうど2階の耐力壁の直下に当たるので、しっかりした壁がほしいところです。しかしこの部分に壁を作ることには診断依頼者さんが抵抗しました。この家の良さが損なわれるからです。
そこで高橋さんが考えたのは、二つ割りの筋交いをダブルに入れて耐力壁と同等の強度を持たせるという方法でした。
筋交いをむき出しにする露出筋交という方法もありますが、高橋さんはさらにひと工夫加えました。
その工夫とは目隠しの板壁の両側に障子を配置して明るさを取り入れると同時に、飾り棚の機能を持たせることにしたのですが、これがじつに効果的で、室内の雰囲気にもよくマッチしています(写真参照)。
この家がますます大切な場所に
今回の工事は、付帯工事を含めて昨年5月末から9月上旬まで、およそ3か月かけて行われました。小さな家が1軒できるほどの費用がかかりましたが、診断依頼者夫妻は大いに満足しているそうです。そろそろ定年が近い診断依頼者さんとご家族にとって、この家は今後ますますかけがえのないものになっていくでしょう。
(耐震診断及び補強工事=ハウスコンサルティング有限会社 電話0120-253-376)